こんにちは、チェロの中村充です。
バッハの無伴奏チェロ組曲はチェロの旧約聖書と言われるほどチェロにとって大切なレパートリーだと思います。
1番〜6番まであり、それぞれプレリュードから始まって6曲から構成されています。
とりあえず今回は、1番ト長調について書きたいと思います。
曲の構成
まず、
プレリュード(前奏曲)
アルマンド(ドイツ風の踊り)
クーラント(イタリアの軽快な舞曲)
サラバンド(緩やかな三拍子の舞曲 スペイン)
メヌエット(3拍子の舞曲 フランス)
ジーグ(イギリスで流行した速い舞曲)
の順番に出来ています。
元々全て舞曲だったけど、プレリュードとアルマンドだけは当時舞曲というわけではなかったみたいです。
聴けば聴くほど、勉強すればするほど、奥が深い。
単刀直入にいうと、僕はまだまだこの曲を全く知れていません。語る事すら許されない人間だと思います。笑
和声とかそういう勉強も少しずつやってはいますが、まだこの曲の真髄にはそれだけじゃ到達できないものがあると思います。
僕は、ピエール・フルニエのCDでこの曲を初めて聴きました。僕は今でもフルニエの演奏が好きです。
小学校の頃は、ただただこの曲が弾ければいいなという気持ちしかなかったし先生から花丸が貰えればいいなとかしか思いませんでしたが、大きくなるにつれて、時々演奏する機会がある時に、僕はどう弾いていいか分かりません。
なにが分からないかと言われると具体的には弓のスピードだったり、アーティキュレーションだったり、だから先生に教わるんですが、正解があるかは分かりませんけど、どれが正しいのか分からないです。
正解なんて求めちゃいけないのかもしれないけどね。
本とか気になる動画を見てみた。
しかし、僕にだって演奏したいと思う曲でもあります。
有名な話ですけど、パブロカザルスが古本屋で見つけたという話があります。そこから研究を重ねてから200年くらい今までずっと引き継がれているのですから、僕も演奏で時代を感じていきたいなと思います。
この本には無伴奏チェロ組曲についても書いてあるのですが、特に深かったのは、
- 舞曲、組曲の様式についての考察は今日のチェリスト達に忘れがちではないか。
- 演奏スタイルは横に置くとしても指定されていることを無視して通常の4弦で弾こうとするために、数多くの音や和音が省略変更されている事実は原典を尊重しようという姿勢から程遠い。
- カザルスが古本屋で見つけ何年もの研究の後に再び知らしめたという話しか知られていない。
- 現代の楽器を用いて聴衆に向かって弾くことを基本的に目指しているチェロ演奏のあり方は、バッハの音楽にふさわしくない。
- 楽器を鳴らすことはどの時代の音楽をするにせよ大切だが、さまざまな言葉を語らせ陰影を付けようとふるバロック音楽が求める奏法は現代のチェロやその基本的奏法とは趣味を異にするものである。
- どのような道具を使うにせよ、チェロの弾き方、バッハの表現の仕方はチェリスト1人1人独自のものである。21世紀のチェリスト達はどのようにバッハを引き継いでいくだろう。バロック音楽の約束ごとを各時代の様式感など面倒で不必要なものと取られるかもしれない。けど、そのような約束ごとが僕たちの想像力を増幅させて無限に豊かなものとし、至福の時を創り出す助けになると思う。
と書かれてあります。(これでもだいぶはしょった。笑)
極端に要約すると、もっとその時代の空気感などを勉強すべき。カザルスが作りあげた恩恵を被るだけではよくない!という考えです。
僕自身もこの本を読んで、全くその通りだと感じました。
そこからの勉強は、自分が今教わっている先生などに深く聞く必要があるなと思います。
もう一つ、ヨーヨーマ がインタビューでこんな事も語っています。↓
これは、ヨーヨーマ が3枚CDを録音しているのですが、なぜ録音したのか?という質問に対しての答えです。
この2人の話を勝手に解釈すると、勉強も大事だしそれを挑戦していくことも大切というのがわかります。
まとめ
僕は6月8日に演奏会を初めて開き、この無伴奏チェロ組曲を演奏するのですが、今の現時点での僕の演奏を少しでも頭の中で消化して、色々な人に伝えていくべきなんだと思います。
ちょうど4日前が誕生日で、25歳になりました。
チェロを5歳から始めたので20年目に突入するんですが、20年間頑張ったことを、違ったとしても、なにか伝えれる演奏会にしたいと思います!